出張講義・実験
周期表と個性豊かな元素たち
アンケート結果
平成20年(2008年)9月17日(水)
15:40-17:20(1時間40分間)
理数科・普通科1・2年生 38名
会場:島根県立出雲高等学校(島根県出雲市今市町1800)・化学実験室







●生徒さんのアンケート結果
| 5点 |
非常に参考になった |
23名 |
| 4点 |
参考になった |
11名 |
| 3点 |
普通 |
2名 |
| 2点 |
あまり参考にならなかった |
0名 |
| 1点 |
参考にならなかった |
0名 |
| 未記入 |
2名 |
| 平均 |
4.58点 |
(36名) |
●ご感想(岡山理科大学から生徒さん達に記入をお願いしたアンケートの記入内容)
- とても面白い実験で楽しかった。色々なことに興味がわいてきたので、今後に活かしていきたい。
- 電子の勉強は少ししたけれども、こんなに奥が深いとは思わなかった。
- とても楽しかった。
- 面白かった。
- メチャクチャ面白かったです。こんなに化学が面白いなんて思っていませんでした。
- 高校ではできないような実験ができて良かったです。元々化学は好きな方ですが、今日の講義を聞いてさらに化学に興味を持つことができました。大学に行けばもっと複雑で興味深い実験ができると思うので、大学でも化学を学び続けたいです。
- 実験はみんなとても面白く、なぜそうなるかも良く分かりました。自分は工学部に行こうと決めていましたが、理学部も面白そうだなと思い、これからの進路を考える良い機会になりました。
- 色々な実験があって面白かった。プラズマボールの実験が特に面白かった、化学への親近感がわいた。
- 非常に興味がそそられる内容で、化学への意欲が増しました。
- とても高度な実験を見ることができて、非常に良い経験になった。また大学の事について聞くことができて勉強になった。
- 数々の実験、すごく興味深いものばかりでした。普段では決して見られない液体窒素、蛍光色で光る液体、そして水ガラス水溶液中で成長する樹木・・・。本日は本当にありがとうございました。
- 普通の講義と違って実験をしながらだったので、とても楽しく講義を受けることができました。
- 炎色反応を改めて実験してみて、とても面白かった。最近化学で酸素や窒素に関する授業をして沸点の違いも勉強していたので、その沸点の違いに関する液体窒素・液体酸素の実験が見られて良かった。
- 面白くてびっくりするような実験ばかりで、最近化学の授業は化学式ばかりを相手にしていたので、とっても新鮮で良かったです。今回この講義を受けることができて、本当に良かったです。
- 普段できない実験をこの時間で何種類もやり、興味津々でした。
- 教科書で文字の上でしか関われなかった実験が実際に目で見られて、とても面白かったです。これから学習していく中でも、頭の中でだけでも(原子・分子のミクロの世界を)イメージしながら勉強していけたら面白いだろうな、と思いました。
- 色々な実験をして、科学にもっと興味をもつことができました。理学部って楽しそうだなぁと思いました。周期表のポスターもいろいろ書いてあって、元素名が覚えやすそうでとても良いです。
- 色々な実験を見せてもらって、とても面白かったです。化学は私の苦手科目ですが、今日の先生の講義を聞いて、少し考えが変わりました。これからも興味深く勉強していきたいです。
- テレビでやっている実験はマンネリ気味な気がしていたけれど、今回の講義はとても楽しめました。プラズマボール最高!!理学部にも興味が持てました。
- すごい楽しかったです。自分たちの身近にあるもので色々な現象があって、化学って楽しいなと思いました。学校の授業の化学は実験があまりなく座っているだけでつまらないけれど、今日は金属イオンの炎色反応も見られたりして良かったです。岡山理科大学で生産している液体窒素で、液体酸素が見られて驚きました。
- 原子という小さなものを扱う分野だけれども、その実験の内容などにはとてもスケールの大きさを感じた。実験も色々なものがあって楽しかった。
- 興味を持って講義を受けることができました。私は実は文系なのですが、化学選択なので、普段の授業と関連づけることができ、とても面白かったです。これからもっともっと化学を頑張って勉強したいと思いました。ありがとうございました。
- 色々な実験を見たりやれたりできたし、高校の化学では実験をあまりしないので、すごく楽しかった。
- 実験で色々と楽しめた。理学部に興味を持てた。
- 今日は普段体験できない化学発光の実験や液体窒素の実験ができて、とても楽しかったです。
- 普段できないような実験や、身近なものでできる実験をすることができて面白かった。また理学部について、どういうものなのか分かった。
- たくさんの化学のおもしろい実験を見ることができて楽しかったです。理学部はいまいちピンとこないところがあったけれど、今日の講義で良く分かりました。ありがとうございました。
- とても興味深い内容で面白かったです。理学部についても詳しい説明があったので良かったです。
- 化学について色々なことが分かりました。普段はできないような内容の実験を色々と見ることができたので良かったです。
- 改めて化学の楽しさを知りました。高校に入ってあまり実験をしていなくて、化学に対する情熱を失いかけていましたが、今日の講義により、再び情熱を取り戻すことができました。
- 興味深い実験だった。化学についての興味が増した。電子の働きはとても凄いと思う。
- 今までの授業で習った元素は言葉だけで、実際にどうなのかは教科書でしか見たことがなかったけれど、今回は見られて面白かった。今後また新しく習っていくだろう元素の性質について興味がわいた。
- 面白かった。とても理学部や実験に興味が持てた!!理科というのは、色々な分野に分かれていてもお互いが繋がっているんだなーと思った。化学は楽しいですね。
- 普段やらないような実験ができたのでとても面白かった。液体窒素は実際に初めて見たので、貴重な体験ができて良かった。
- 面白かった。
●ご感想(出雲高等学校から生徒さん達に記入をお願いしたアンケートの記入内容(講師へのメッセージ・感想・質問))
- 普段は紙の上での勉強が中心なので、多くの実験をすることができてとても楽しかったです。普段の授業と絡めて考えることができ、学習意欲がわきました。大学に行っても化学・科学に触れていたいなと思いました。この講義を受けて良かったです。充実感でいっぱいです。本当にありがとうございました。
- とても面白かった。講義を受けて良かった。また高校生でも分かるように説明してくださり良かった。理学部に興味が持てた。「化学」と聞くと気難しいイメージがあったけれど、こんなに面白いものなんだ!!という発見があった。ほんの僅かの時間だったが最先端の技術に触れられたような気がした。帰ったらもらった資料を熟読したいと思う。今回は特に「光る」実験が多かったが、それぞれ一つ一つが違った原因で光っていることに驚いた。原子や電子は目で見ることはできないが、今回の実験で少し身近に感じることができた。ありがとうございました。
- 本当に為になった講義でとても良かったです。改めて化学の楽しさを感じられました。不思議なものがいっぱいで、特にカイロ(酢酸ナトリウム三水和物の過冷却状態を利用したカイロ)を発明した人は凄いなと思ったりしました。紫外線で見る蛍光ペン(の筆跡)はとってもキレイでした。毎日、先生はこういうものを見ているなんて凄いですね。今回、資料も細かく作っていただきありがとうございました。これからも研究頑張ってください。
- 今回の出張講義では色々な実験をすることによって科学についてよりいっそう興味がわいた。特に印象に残っているのはガウスライフルという実験で、鉄球が物凄い勢いで飛んでいくのは見ていて楽しかった。実験だけではなく、宇宙の始まりについての話も楽しかった。また今日もらった4枚のポスター(周期表、ゲノムマップ、宇宙図、光マップ)も、もらえて嬉しかった。
- 色々な実験を見せてもらって、とても面白かった。「化学」は私の苦手科目だが、今日の先生の講義を聞いて、少しその考えが変わった。化学の素晴らしさ、面白さを、これからの高校の授業で感じて好きになれたら良いと思います。
- 一言で楽しかったと言えます。この講義を選んで良かったです。高校ではあまりないような実験用具を使って実験ができたのは、良い経験になったと思います。理学部の方面への進路に対しての参考にもなりました。元々理工学方面で迷っていたのが少し気持ちが固まった気がします。こういった機会が持てたことを感謝したいと思います。
- 今まで実際には見たことのなかった実験ができて、為になった。水ガラスは名前だけは聞いたことがあったが、何からできているのか、あるいはその反応性については全く知らなかったが、詳しく知ることができた。詳しく知ることがこんなに楽しいことだという発見ができて良かった。磁石とアルミニウムの実験(電磁ブレーキの実験)は、結局なぜそうなるのかは分からなかったけど、いつか勉強する意欲への糧になったらいいと思った。
【坂根より】“コ”の字型のアルミニウムレールとネオジム磁石球の実験で、磁石球はアルミニウムにくっつかないのにどうしてなかなか転がらないのか(ブレーキがかかるのか)、これは物理の電磁気学で学習する内容ですが、簡単に説明すると、アルミニウムは電気が良く流れる(自由電子が動きやすい)金属であり、そのそばで磁石を動かすとアルミニウムには電気が流れる(電子が移動する)のです。発電機(自転車のライトの発電機、水力・火力・原子力発電所)も同じ原理です。水力発電所の場合は水の落下する力、火力・原子力発電所の場合は水蒸気の力、自転車のライトの発電機の場合は車輪の回転する力、その力によって磁石が金属コイルのそばで回転するのです。すると金属コイルには電気が流れる、これが発電です。アルミニウムレールの上で磁石球を転がしたときに発生する電流は、まるで鳴門の渦潮のようにその場で渦を巻いているような電流なので、渦電流(うずでんりゅう)と呼ばれています。金属に電気が流れると、今度は磁場が発生します。鉄釘にエナメル線を巻き付けて電池をつないだ電磁石で遊んだ経験はありませんか。アルミニウムレール上で磁石球を転がした場合、この磁石球の動きを妨げる方向の磁場が発生します。激しく(速く)動かせば動かすほど、その動きを妨げる方向の強い磁場が発生します。だから“コ”の字型のレールは、10度、20度、30度、そしてついには90度近くまで傾けても(垂直にしても)、ふんわりとゆっくりとしか磁石球が落ちてこなかったのはそんな原理なのです。自転車のライトの発電機で、発電させるには力がいる(漕いでいてペダルが重くなる)のと同じ原理です。モーターで加速した電車がブレーキをかける時にも同じ原理を用います。そもそもモーターと発電機は同じ仕組みの同じ装置です。モーターに電流を流せば回転・加速していきますが、電流を流すのをやめればブレーキがかかります。回転が止まったあとに今度は手で強引に回転させれば、電流が発生します。すなわちモーターは発電機、発電機はモーターとして使えます。同様にスピーカーとマイクも、発電機とモーターと同じように、仕組みとしては同じ装置です。スピーカーはマイクとして、マイクはスピーカーとして使えます(音質は抜きにして)。銅やアルミニウムは電気の流れやすい(電気抵抗の小さな)金属ですが、それらと比較して同じ金属でも鉄は電気の流れにくい(電気抵抗の大きな)金属です。鉄鍋の下で磁場を激しく変動させることにより鉄鍋に渦電流を発生させ、その電流が発生するジュール熱によって鉄鍋が加熱されるのがIHクッキングヒーターの加熱原理です。
たくさんの面白い実験をして、今まで以上に化学に興味を持つことができました。大学の理学部も楽しそうだなぁと興味を持ちました。周期表のポスターにも色々と(豆知識が)書いてあって覚えやすそうです。エコカイロはとてもいいものだと思います。もし売っていたら買いたいです。
高校ではできないような面白い実験をたくさん見られてとても楽しかったです。高校ではどうしても文字だけの勉強になってしまうので、大学でもっと深く理学に関わってみるのもいいかなと感じました。
普段なかなかできない実験をして面白かった。化学についてとても参考になったところもありました。
興味深い実験だった。特に液体窒素の実験が面白かった。酸素が磁石にくっつくことを初めて知った。また他にも色々知ることができた。
100分間の講義をいっぱいいっぱいに使って面白い実験をいろいろしていただけて本当に良かったです。宇宙の始まりや、地球の位置などの天文学的な話もすごく興味がわきました。授業で習ったことに関わる実験もあったので、学習したことを思い出しながら見ることもできました。今回この講義を受けることができてとても良かったです。
もっと時間があればいろいろな実験が見られたのに!と思うぐらい興味がわいた。私は最近理学部化学科への進路も考えていて、今日の講義はとても参考になった。この前の授業でちょうど酸素と窒素の元素の勉強をしていて、沸点の違いによる実験(気体(酸素)の液化実験)をしてもらって、先生の話だけより、やっぱり実践した方が面白いなぁと感動した。
普段見られない数々の実験はすごく興味深いものばかりでした。自分の身体にでも電気が流れることにはびっくりしました。
私は理学部に進学しようと思っているので、この講義はとても良い経験となりました。今日教わったことをこれからの進路選択に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
化学好きの私にとっては、本当に楽しい講義でした。始め、大学での生活について話しておられましたが、大学最後の年となると一日中研究をする(4年次の卒業研究)という生活が一年間続くということに対して、大変そうだと思った反面、楽しそうとも思いました。興味深い大学の話の後、ついに待ちに待った実験の実験がやってきたとき、とても楽しみにしていました。色々な実験がありましたが、特に興味深かったのが、二つの物質を混ぜたことにより発光するというものでした(化学発光の実験)。化学の楽しさを知ることができたことで、進路決定の参考になりました。貴重な講義を本当に有り難うございました。
高度で面白い実験はテレビぐらいでしか見たことが無かったので、良い経験となった。自分の進路を決める上で良い参考となった。
多くの実験を色々と行うことができて楽しかった。液体窒素など普段は扱えないようなものを使っての実験ができて、貴重な体験となった。
化学の授業で聞いたこともないようなことが多かったけれど、実験中心でかなり面白かったです。岩石(不溶性のケイ酸金属)ができる瞬間と、坂根准教授が111元素名を語った(暗唱した)ときは感動でした。
普段は見ることができないような実験を色々と見ることができて良かったです。理学部というものがどういうものか分かったので良かったです。また今日の実験で科学がどういうものかが分かったのも良かったです。今回のことを今後の進路選択に活かしていきたいです。
身近なところまで全部原子・分子で成り立っていて、原子・分子の間は真空になっている、とても興味深かったです。普段は見られない実験を見られたので、とても良い経験になりました。
化学には前から興味があったので、たくさんの面白い実験が見られて本当に楽しかった。実験の中でも、なぜだろう? 不思議だな? と思えることがたくさんあり、今までピンとこなかった理学部のことが分かってきた。進路はまだまだ分からないけれど、今回の講義が後に進路決定の参考になればいいなと思う。本当に楽しかったです!!
色々な実験をやって、面白かった。化学というのは、理科の科目すべてに応用できるものであることが分かった。実験の中では特にプラズマボール(サンダーボール)が面白かった。プラズマボールの表面に物を当てると光がなぜ集まってくるのかがとても疑問に思った。どの実験も学校ではできないようなものばかりで興味深かった。これまで授業で習ったことが色々と実感できて楽しかった。
実験が中心の講義でとても楽しかった。高校では見たことのない物質や道具を色々と見ることができたし、高校ではできない実験ができた。「なぜこうなるのだろう?」と思いながら、わくわくして実験をすることができて、やはり自分は化学が好きだなと思った。というより、今までよりさらに興味を持つことができた。この講義を選んで良かった。資料もたくさん持ち帰ることができたので、家に帰っても活用したい。
凄く面白かった。また受けたいです。
とても分かりやすく今後の進路の参考になりました。
実験がとても楽しくて、なぜそうなるかも良く分かりました。工学部に絶対行こうと思っていましたが、講義を聴いて理学部も楽しそうだなと思えるようになりました。
とても面白かった。
普段できないような実験や、結構身近にあるものを使って行う実験があって、どれも予想外の結果になって驚いた。理学部がどんな学部なのかも分かって良かった。化学に興味を持つこともできた。
とても楽しかった。化学のことが多く分かって良かった。
普段はできない実験をさせてもらって、とても楽しかったです。液体窒素は体験済みでしたが、磁石など色々な実験ができてとても面白かったです。
色々な実験をして、普段の科学とは違うものを見られた。
非常に分かりやすくて、将来の参考になった。
実験がほとんどであった。すごく楽しくて聴き甲斐があった。また不思議なことがたくさんあり、とても楽しかった。興味もすごくわいた。今後の進路に役立てていきたい。
電子は不思議なものだと思った。電子が身近にどのように使われているのかを知りたくなった。今、高校で勉強している化学は、化学(物質およびその性質についての学問)全体のほんの一部であり、それ以上を知ることのできる大学の理学部に興味を持った。
●坂根より、出雲高等学校の生徒さん達にお薦めの本
- 米山正信著, "化学のドレミファ(1)反応式がわかるまで", 黎明書房(1997.07), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(2)イオンのことがわかるまで", 黎明書房(1997.11), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(3)熱の正体がわかるまで", 黎明書房(1997.12), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(4)化学反応はどうしておこるか", 黎明書房(1998.01), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(5)有機化学がわかるまで", 黎明書房(1998.02), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(6)水の汚染と食物連鎖の話", 黎明書房(2000.01), \1,890(税込)
- 米山正信著, "化学のドレミファ(7)水−このふしぎなもの", 黎明書房(2000.09), \1,890(税込)
- 板倉聖宣著, "大きすぎて見えない地球、小さすぎて見えない原子", 仮説社(2005.08), 1,890(税込)
- 板倉聖宣著, "迷信と科学", 仮説社(2007.11), 1,890(税込)
●坂根より、出雲高等学校の生徒さん達へのメッセージ
- 皆さんは好奇心を失ってはいませんか?
- 知らなかったことを知る喜び、分からなかったことが理解できる喜びを大事にしていますか?
- 皆さんはもうすぐ大人になり、社会の一員として生きて行くことになります。
- その時、少しでも居心地の良い、生き甲斐の感じられる居場所を見つけるためにも、何か一つでも“好きなこと”を見つけて、その“好きなこと”を全力で極めてください。
- 世の中には沢山の山(分野・職種)がありますが、やはり山頂まで上り詰めたことの出来た人が、その山では認められる存在になります。
- いくら“好きなこと”でも、登り詰める途中には、辛いことも、“嫌いになってしまう”こともあるでしょう。
- でも、一筆書きの一度きりの人生、自分で“好きなこと”と思って選んだ道は、まずは出来るところまで登ってみることが肝心です。
- 山頂まで達して初めて広い景色を見下ろすことが出来るのです。
- 高校時代、将来の進路を考えるに当たって、自分は何が好きなのか、何だったら好きで居続けられそうか、いろいろな教科・分野に興味をもって勉強し、選んでみてください。
- 私は高校時代、“化学”を選び、“化学”の道を歩き続け、今も“化学”を生業として生きています。
- 一つの例として、私の選んだ“化学”の魅力・楽しさを皆さんに紹介したいと思っております。
●出雲高等学校の生徒さんからのご質問“理学部とはどんなところでしょうか?”への坂根からの回答
- 工学部との比較が一番分かりやすいと思います。
- 理学部にいる人間(教員や大学院生や大学生)は、良く言えば純朴で好奇心に満ちあふれており、自然科学の不思議なこと、まだ分かっていないことを、実験したり考えたりして、とことん突き詰めていき(研究といいます)、アッと驚くような発見があったり、分からなかったことが分かったり、ということに喜び(価値観)を感じている人たちです。
- 悪く言えば、世間知らずで、お金の損得勘定(儲かるか儲からないか)や、研究成果がどのような分野でどのような人々にどのように役立つのか(貢献するのか)、といったことはあまり考えていない一面もあります。
- 面白いから面白い、好きだから好き、といった気持ち(価値観)で、ひたすら学問の発展を目指している集団と言えます。
- 一方、工学部にいる人々(教員や大学院生や大学生)は、理学部的な価値観を土台に、知識や経験を人類社会で具体的に役立たせることにも価値観を感じて努力を続けている集団と言えるでしょう。
- 理学部で得られた研究成果は、今すぐに何かの役に立つかといえば、すぐには役には立たないかもしれませんが、長年にわたって築き上げ続けている人類の叡智の塔(学問)の先端をさらに積み上げるという気高い行為だと(理学部の人々は)信じています。
- どんな分野にしろ業界にしろ歴史があり、裾野は広く、頂(いただき)は高いものです。
- 自分の内から湧き出る素朴な好奇心を原動力に、苦労して山頂まで登り詰め、実際に新たな石を積み上げてみるという経験は、将来どんな分野のどんな業種に就いたとしても、役に立つ経験です。
- 理学部とは、何か特定の職種に就くための資格を得るための場所ではありませんが、何かの分野で山頂に登り詰めるには何をどうしたらよいのか、講義・学生実験から卒業研究に至る一連の流れ(教育課程)を通して具体的に一度山頂に登ってみるという経験をすることにより、その具体的なノウハウを会得できる場所と言えます。
- 山に登った経験のある方なら実感していただけるかと思いますが、山頂まで登り詰めて初めて得られる感動というものがあります。
- 山頂まで登り詰めて、山頂から周囲を俯瞰する(見下ろし見渡す)という経験、これは山頂まで登ってみたことのない人には言葉でいくら説明しても実感してもらえない得難い経験なのです。
- 登山とは、山頂に到着したときの感動は大きいものですが、そこに至るまでには、長い時間と苦難があり、忍耐と努力が必要です。
- 大学の理学部で何かの分野を極めるには、好奇心とそれを満たす喜びを原動力に、「好きだ!」「楽しい!」と思い続けることができるかどうかが重要です。
- 高校時代に「好きなこと」、あるいは「好きなんじゃないかと思えること」でもいいんです、何かそんなことを見つけられたら、覚悟を決めてその分野に飛び込んでみてください。
- その分野に飛び込んだ後、その分野の幅広さと奥深さを感じながら、山頂まで辿り着けるかが勝負です。
- 「好きなこと」、「好きなんじゃないかと思えること」って自分で信じたことで、将来飯が食えたら(お金が得られたら)、そんな幸せなことはないと思いませんか。
- 理科の何かの分野で、自分自身が「好き」、あるいは「好きなんじゃないかな?」って感じたことがあったら、そして「好きで居続けられそう!」と思えたなら、是非、大学の理学部への進学を検討してみてはいかがでしょうか。
●出雲高等学校の生徒さんからのご質問“化学系の面白いところはなんでしょうか?”への坂根からの回答
- 世の中、物質だらけです。
- 自然科学は広範な分野とはいえ、生物も物理も地学も、物質を扱わないことはほとんどありません。
- その物質は、すべて「周期表の約90種類の元素」からできています。
- その約90種類の元素を、くっつけて、組み合わせるだけで、いろいろな物質が出来上がります。
- すでに世の中にある物質を調べて、どんな元素がどのようにくっついてどんな形の分子になっているのかを調べることも化学ですし、逆にいろいろな元素を実験室で組み合わせて(合成といいます)まったく新しい物質を創り出すことも化学の醍醐味です。
- みなさんは潜在的に、天然の物質は安全で、化学で合成した物質は危険、というようなイメージを抱かれているかもしれませんが、それは全くの誤解です。
- 天然の物質と化学合成した物質は、全く“同じ物質”で区別はありません。
- 違いがあるとしたら、天然物質に比べて化学合成した物質の方が純度が高い(天然物質はしばしば不純物を含んでいる)というぐらいです。
- 天然であろうと、化学合成であろうと、人間に害を及ぼしたり環境に負荷を与える物質は、そういう物質です。
- 逆に、人間が栄養として食べる物質や近代文明に必要な様々な性能を持った物質(人間に役立つ物質)も、天然であろうと化学合成であろうと、そういう物質なのです。
- 化学の面白いところは、世の中の物質すべてを、原子、電子や原子核にまでバラバラにして理解・想像でき、実際にある物質とある物質を反応させて新しい物質を作り出すことができることです。
- 小さすぎて顕微鏡でも見えない原子・分子の世界が、理学部の化学科で化学を学ぶことによって、見えるようになってきます。
- 小さすぎて見えないものが見える、それだけでも感動できます。
【坂根弦太の出張講義・実験】ページに戻る